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今回は、保育現場、でしばしば起こる、子どもの「抱っこ」、「抱き癖」問題についてお話ししたいと思います。
子どもが泣いています。
抱っこをします。・・・すると・・・
「抱き癖がつくからよくないよ」
と先輩から一言。
こんな経験のある保育士、多いのではないでしょうか?
私も新米の時に言われたことがあります。
う~ん・・・そうなのかなぁ?・・・と悩んだりもしました。
実際に保育士をしていると、
- 抱っこする
- 抱き癖がつくからやめて、と言われる
- いや、実はそんなことないんだ、と学ぶ
このような流れで経験していくことになるでしょう。
今回の記事内容は、「3.いや、実はそんなこともないんだ、と学ぶ」の先まで考察していきたいと思います。
保育士として、子どもと接する際の「抱っこ」と「抱き癖」。
なかなか正しい結論まで導けていない方が多いと思います。
個人的見解ではありますが、解答まで導きたいと思います。
保育現場だけではなく、子育てでも役立つ考え方になりますので、是非最後までご覧頂き、少しでも参考になれば幸いです。
結論
まず先に結論から言います。
それは!
抱っこをしなくてもいい道を模索する
です。
なんだよそれ!
今も既に模索してるんだけど・・・
そんな声が聞こえてきます。
もう少し、前後に言葉を足してみます。
抱っこをすべし!
でも、
抱っこをしなくてもいい道を模索する方が賢くて幸せ
です。
深掘りしていきましょう。
抱っこのメリット・デメリット
さて、「抱き癖」という言葉で揶揄されますが「抱っこ」のデメリットは何なのでしょうか?
ここで一度考えてみたいと思います。
- 他の子に目が行き届かなくなる
- 他の仕事がはかどらない
こんな所でしょうか。
一方で抱っこするメリットを考えてみると、
- 子どもの情緒が安定する
これにつきるでしょう。
この2つを天秤にかけた時、どちらに傾くか?
保育士として、保育現場として「子ども最優先」という考えがきちんとあるならば、後者(メリット)に傾くはずです。
子どもの気持ちに寄り添い、情緒の安定をはかる、これに勝るものはないと思います。
なので、
ひとますは「抱っこすべし!」となります。
しかし!
デメリットの部分も捨て置けません。
そして、これは保育士を辞めたくなる、続けられなくなる要因の1つにもなりえるでしょう。
「抱き癖がつくからよくないよ」
というのも正確に言うと、
抱き癖がつくと、
他の子に目が行き届かなくなる
他の仕事がはかどらなくなる
からよくないよ。という事になるのです。
この部分も少しは解消しないといけませんね。
この部分に関しては後程少し触れたいと思いますが、ここで一旦、子どもが泣いている場面へと転換して話を進めていくことにします。
子どもの泣きの解消法は抱っこ以外にもある
まずは、「子どもの泣き」を解消できる策を講じる必要があります。
それが情緒の安定につながるからです。
例えば、
朝、ママと離れて、それが嫌で大泣きの子どもがいるとします。
残念ながら子どもの第1希望である「ママに会いたい」は叶えてあげられません。
次に子どもが望むのが、「先生に甘えたい」、「抱っこしてほしい」であるならば、
「抱っこをする」
これが正解となるでしょう。
これは子どもが抱っこアピールをしてきたり、抱っこをして落ち着いたり、逆におろしたら大泣きをしてアピールをしたり、で分かると思います。
しかし!
「抱っこをする」、というのは子どもの情緒の安定の選択肢の1つにすぎません。
お友達と遊ぶ、おもちゃで遊ぶ、自由に動き回る、納得するまであちこちうろつく、お気に入りのアイテムを持つ、など・・・。
子どもの情緒の安定の方法としてのこれらと同じ列にあるものなのです。
泣く子どもに対して、必ずしも「抱っこ」が最優先とはなりません。
そして、選択肢の中でも特に大事なのが、お友達と遊ぶ、おもちゃで遊ぶ、といった選択肢。
これらは保育園の「環境の構成」と、保育士としての「遊びの提供」、つまりは保育園(士)の「腕」が問われる部分でもあるのです。
私自身、抱っこをしてもふんぞり返って嫌がる、抱っこをしても落ち着くわけではない、といった経験はよくあります。
そんな時は安全が確保できるレベル(さすがに外まで駆けだして行かれたら困るので・・)で「自由」にさせます。
自由になっても泣き続けることはあるでしょうが、子どもも考える頭はあります。
子どもは楽しいことには貪欲です。
考えることで楽しいことにたどり着けるようになります。
「自由」の中でひっかかる「遊べる環境」を作り上げることが大切、有効なのです。
うた・手遊びの知識や技術、子どもが楽しめるおもちゃの選択、楽しいと思える雰囲気や環境、など・・・。
これらを磨き高めることによって「抱っこ」にとって代わる情緒の安定につながる保育が可能となるのです。
現実問題としては、泣く子どもはまずは抱っこしてあやす。でいいと思います。
おそらく他のおもちゃや遊びを見せてもすぐに落ち着いて遊び出す子は少ないでしょう。
だけど、抱っこだけで情緒の安定をはかろうとするのではなく、抱っこしながら子どもを観察し、楽しそうな園内環境を子どもにアピールしていくことが大切です。
子どもは自ら成長する「生き物」です。考える力も発達します。
すぐにはお迎えは来ないんだ
泣いてても楽しくないな
このおもちゃで遊ぶほうが楽しいな
こういった考えにたどり着くことができます。
そして、たどり着くための手助けとなるのが、楽しい園内環境と魅力的な遊びの提供に他なりません。
抱っこをしても泣き止まない、落ち着かない、納得しない子であれば、泣いたまま辺りを探索・観察させる、でいいでしょう。
そして、探索・観察しながら、「楽しい!」、「泣いてる場合じゃない!」とより早く思わせるようなものを提供できるのが理想的です。
子どもが楽しめる園内環境をつくり、魅力的な遊びを追求することが、冒頭の結論で示した「抱っこをしなくてもいい道を模索する方が賢くて幸せ」になるのです。
- 子どもが少しでも早く情緒が安定し自立して遊び過ごせるようになる
- その為に楽しめる空間を作り上げる
- 楽しい空間=お友達が夢中で遊んでいる=先生たちも笑顔でいられる
これらは抱っこのデメリットである、「他の子に目が行き届かなくなる」、
「他の仕事がはかどらない」、の解消にも一役買います。
安全で楽しめる環境であれば、子どもの主体的な活動を見守るだけで十分な保育となるからです。
まとめ
泣いている子に対し、抱っこをすることで情緒の安定をはかるのは正しいことです。
それを短絡的に「抱き癖がつく」と非難するのは間違っています。
しかし!
泣く、即抱っこ。
楽しい園内環境アピールも遊びの提供もない、は良策とは思えません。
保育園ではいつ新しい子が入ってくるか分かりません、いつ子どもの情緒が乱れるかも分かりません。
「抱き癖の是非問題」はその都度起こります。
手段として「抱っこ」を用いることは大いに結構ですが、常日頃から子どもが楽しめる園内環境と笑顔溢れる遊びの提供ができるよう知識と技術を磨くことが、最も有効な方法であり、そういった考えの共有を職員間で行うことも安定した職場環境構成には必須でしょう。