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私は歴10年ちょっとの男性保育士です。
保育園で共に過ごす子どもたち、成長を促し、見守るのがその仕事であり、その魅力でもあります。
子どもの成長の為、できるかぎりの介助、お世話をして導いています。
子どもの成長の為にたくさんのことを教え、その教える技術も日々磨いています。
しかし、本日は、教えないことの大切さ、についてお話します。
”え!教えないことが大切なの!?”
そう思われるかもしれませんが・・・、はい。教えないことが大切なんです。
”???”
それではこれから、子育てにおける教えないことの大切さ、そしてその理由もお話していきます。
結論
結論から言うと、教えることよりもたくさんのことを身につけられるから、です。
私は、こちらの記事内で、「甘えさせる」と「甘やかし」の違いについて記しています。
その中で、子どもが全くできないことをやらせる、のは心に寄り添っていないから良くない、と記しました。
私も保育をしていて、”全く何も教えない”、ということはありません。
着脱の仕方、食事の仕方、などの生活面はもちろん、運動や遊びでもたくさんのことを教えます。
”教えないと何もできない始まらない”、という場面もあるので当然です。
ですので、全くできないことは教えて、寄り添いながら学習していくようにしています。
しかし!
教えたい気持ちをあえて抑えて、子ども自身の力を見守る。つまり「教えない」という選択をするときも多々あります。
それはなぜか!?
その時に成功にたどり着けると、子どもも大人も、より一層の手ごたえを感じることができるからです。
これが教えないことの真の目的です。
なるほど・・・と思いつつもいまいちピンと来ないかもしれませんね。
なので、次の項から、もう少し教えないことの大切さや理由について深堀していきたいと思います。
・どうして教えてしまうのか?
まずは、どうして教えるということを積極的にするのか、について考えていきます。
1:お世話をしてあげたくなる
保育士として、教育者として、親として、という責任感からか、”お世話をしなければ”、”お世話をしてあげないとかわいそう”、という感覚になってしまうのはよくわかります。
また、教えたことを目の前で実践してくれるとすごく嬉しいですよね。
そういった気持ちから教えることを積極的に行い過ぎてしまうのではないでしょうか?
2:時間的効率化
当然のことながら大人の方が子どもよりもテキパキこなせます。
また、大人はその先の活動まで意識して時間配分をし動けるので、子どものペースに合わせると非効率的だというのは否めないでしょう。
先の行動も含めた効率的な活動を理想とするあまり、どうしても、「教える」、「やってあげる」、ということが正解になってしまうようです。
なぜ教えないことが大切なのか?
1:考える力をつける
試行錯誤をすることで脳が鍛えられます。
”教わったことをそのままする”、でも決してダメなわけではありません。
しかし、自分の力で解決に導く、成功までもっていく、というのはより一層効果があります。
あれこれ考えながらする作業で、考える力が養われます。
しっかり考え、そして成功という結果へともっていく力は、生きていく上でとても大切な能力になります。
試行錯誤をすることは、すなわち生きる力を育むことになるのです
2:積極性を養う
赤ちゃんの頃は身の回りのことをみんな誰かがやってくれました。
しかし大きくなれば、”待っていたら誰かがやってくれる、誰かが教えてくれる”、というのが当たり前ではなくなります。自身でやっていかなければならないことが増えていきます。
「教えないこと」つまりは自分自身でやることにより、物事を積極的に進める力が養われます。
そして、積極的、能動的に動けるというのは、それだけたくさんのことを経験できる、ということでもあります。
やってみないと分からない。経験してはじめて分かる。といったことが世の中には溢れています。
たくさんのことを経験できればそれだけたくさんのことを得ることができるのです。
3:失敗もできる
自分で試行錯誤してやることにより、「失敗」や「できない」、ということもたくさん経験できます。
失敗やうまくいかなかった経験は成功までの思考の再構築を促します。
つまりより賢く成長する機会を得られるのです。
これは教えることですんなり成功まで導かれた場合は、なかなか経験できないことです。
人生は失敗の連続です。そこからいかに反省していくか、というのも大切な力です。その体験を多く積むこともできます。
4:新たな道をきりひらける
基本的に大人の方が子どもよりもたくさんのことを知っています。
しかし、それが必ずしも絶対ではなく、唯一の正解ではありません。
子ども自身の発想により導き出されたものは、大人の我々にとっても新しい発想、発見だったりします。
それは我々大人をも成長させてくれる貴重な発想・体験にもなりうるのです。
アプローチ方法
1:声掛けは簡易に
声掛けを全くしない、というのも一つの方法でしょう。
しかし、あまりに冷たい姿勢では、意欲をそいでしまうことも・・。
そのような場合には、簡易な言葉がけをしましょう。
「自分でやってみてごらん」
「考えてやってみよう」
「できるよ、落ち着いて」
など、あくまでも自主性を重んじながらも、見守る雰囲気を感じられる言葉がいいでしょう。
2:寛大な心を持つ
大人が焦ったりイライラした姿勢を見せてしまうと、子どもも冷静にできなくなってしまいます。
ある程度の時間のロスや失敗を受け入れてあげてください。
”きちんと考えて自分の力でやるんだ”、という姿勢を認めてあげるためにも、大人は寛大な心をもって子どもと接するようにしましょう。
教えなければいけないこと
自分で考える力を身につける為には、自分で考えて行動させる必要があります。
ですので、ある程度のびのびと活動することが求められるでしょう。
しかし、なかには教えてあげなければいけないこともあります。
それは失敗即大惨事になってしまうことです。
大けがや大事故に即つながるようなことは、教えてあげなければいけません。
特に以下の点に注意しましょう。
1:知らない人についていかない
これだけは徹底しておきましょう。
考える力が身についていれば、それが結果として怖いことになると理解できますが、それ以前の月齢であれば機械的にでも教えていき、少しずつ意味を理解させましょう。
2:大けがにつながること
子どもに好奇心を与えるのはとても良いことですが、時に子どもはこちらが想定している以上に好奇心旺盛になってしまうことも・・。
分かりやすい具体例としては、交通ルールでしょうか。
車には気をつける、道路を渡るときはまわりをよく見る。など、積極的に教えましょう。
こちらも考える力が身についていれば、結果としてどんな怖いことになるか理解できますが、それ以前の月齢であれば、やはりまずは機械的にでも教えるようにしましょう。
まとめ
教えない、というのは対子どもだけに使える考え方ではありません。
社会の場での後輩育成においても有効です。
失敗することで大きな損失、大きなクレームにつながることでないならば、あえて教えないことでより一層の成長を促すこともできます。
優しさを見せたい。
上手に教えたい。
そういった気持ちを持つことは素敵なことだと思います。
しかし、長い目で見て、より賢く成長する為に、あえて「教えない」ということを実践してみるのをおすすめします。