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本日は少し重めの話ですが、保育に関して気になることを記していこうと思います。
題するならば、
今考えるべき悪しき保育者心理
です。
それは2つ。
- 仕事を複数抱えている場合は、自らやらないとゴールにたどり着かない業務を優先してしまう
- ほっといても何も起こらない業務を繰り返していると、いつしかおろそかになってしまう
これが、私が今思う、悪しき保育者心理です。
この心理は、何も保育に限った話ではないと思います。
1に関しては、仕事を効率よく進めるためには必要な要素かもしれません。
しかし!
これらの自然と湧き上がってきてしまう心理が、起きてはならない重大な保育事故につながるように思うのです。
保育者心理の実情・実態
さて、もう少し具体的に話を進めていきましょう。
そもそも保育者が日常的にこなす業務、抱えている業務はどのようなものがあるでしょうか。
- 子どもを見る・遊ぶ
- 書類
- 行事(準備)
- 会議(準備)
- 製作(準備)
- 壁面
など・・・。でしょうか。細かく記せばもっとあると思います。
これらを常に抱えて仕事をするわけです。
そして、
これらの中で「子どもを見る・遊ぶ」の業務以外は、積極的に進めないと終わらないものです。
ゴールから近づいては来てくれません。
一方、
「子どもを見る・遊ぶ」は本日のお迎え時間が来れば終了です。
時間とともにゴールが近づいてきます。
仮に何もしなくても平穏無事に業務を終えることもできる(ある)でしょう。
ここで1つ重要な、間違った考え方を記します。
子どもを見る、という業務は最もテキトーにこなすことが可能である。
子どもを見る、という業務はほっといても、誰も見ていなくても、何も問題なく完了させることができてしまいます。
例えば、午睡時の業務に関して。
きちんと午睡中に子どもの様子は見なければなりません。
しかし、
時間がたてば業務は終了です。
見ていなくても、何事もなければ業務を完了させることができてしまうのです。
さて、ここで午睡事故について考えてみましょう。
原因はそれぞれ違うのかもしれませんが、「子どもを見る」、という意識を強く持っていれば防げたものがあったのではないでしょうか。
午睡事故が起きた時、職員は何をしていたのか?
別の業務?
休憩?
おしゃべり?
自分も含めたほとんどの職員が、午睡事故、無呼吸状態、に出くわしたことは無いと思います。
午睡チェックをしても「いつもと変わらない」の連続です。
そんな時に別の業務をたくさん抱えている、舞い込んでくる、積み重なってくる・・・。
そうなると、午睡チェック(ここでいう午睡チェックとはただ単に表に記すのではなく、子どもを見て触って確認するという行為)がおろそかなってしまうのではないでしょうか。
しっかりやっても何も起こらない業務と、自らやらないと進まない業務、どちらを優先したくなるか?
それは火を見るより明らかでしょう。
これが、保育者心理の実情、実態。
そして・・・悲しい出来事が起こってしまう原因の1つではないでしょうか。
この悪しき保育者心理、改めなければいけません。
今、考えるべきこと(やるべきこと)
まず、今一度自分たちに言い聞かせるべきです。
何も起こらないと思われても、子どもを見る・見守るという業務が大切
ということを。
この意識を徹底する必要があるでしょう。
そして、現場の保育者だけでなく保育にかかわる者(運営者、園長、国、自治体)は、園の実情を知る。ということに務めるべきだと思います。
園や保育士が悪しき保育者心理に陥らないために。
園の実情とは何か?
業務の振り分けやその労力、負担、優先順位のことです。
現場の保育の進め方の深い(細かい)部分に関しては、指導の対象ではないのかもしれません。
しかし!
業務のアップデートや質の向上は必要ですが、削ることも同じくらい大事だと認識して欲しいのです。
「大変だけど頑張ってね」
ではなく、
風船が99%の状態であればちょっとでも空気を入れたら破裂するんだ、ということを認識して欲しいのです。
「子どもを見る」以外の業務が積み重なって破裂寸前の状態になっていないか、客観的な目から見直してもらいたいのです。
例えば、行事や製作。
凝って、より良いものを作るのは結構ですが、それによって何か大切な業務を削らなければならないのであれば、止める、のも必要でしょう。
もちろん、通常業務に影響せずに作り上げる、人数を増やすして対応する。などが可能であればそれで問題無し。素敵なものを頑張って作るべきでしょう。
しかし!
現状の技術や戦力に相応しくない。客観的に見て100%を越えている(残業確定、「子どもを見る」がおろそかになる)ならば止めるべきです。
質を高めるのは良いことです。
しかし!
そのためにたくさんの時間と労力を費やし、その結果、大切な「子どもを見る」が通常営業できなくなるようでは良い仕事とは言えないでしょう。
こだわらなくていいよ。
ではなく、
こだわってはいけない。
園の実情を知って、客観的に見て、冒頭に記した悪しき保育者心理を抱いてしまわないような労働環境を整えることが大切だと思います。
そして、園として保育士としての質の向上、技術の向上(製作能力、行事アイデア含む)は研修などの自己研鑽の場をしっかり設けて行うべきだと思います。
まとめ
- 優先順位の指導徹底
- 業務の見直し(簡略化)
- 技術、現有戦力に相応しくないものはやめさせる
- 技術の向上は研修および別途機会を与える(「子どもを見る」がおろそかにならないように、が前提)
- 人員配置を見直す
子どもをしっかり見る、子どもと向き合う、という意識の徹底をしましょう。
優先順位を考えましょう。
なぜ、優先順位がおかしくなってしまうかも考えましょう。またそれは保育者心理を考えることでもあります。
そのために必要なことは何かを考えましょう。
優先順位の指導徹底、業務の簡略化、過ぎたこだわりはやめさせる、人員配置や業務内容の見直し。
これらが、保育者、運営者、園長、国、自治体が今考えるべき、悪しき保育者心理から起こりうる悲しい保育事故をなくす方法だと思います。