【現役保育士による】上手な絵本の読み聞かせ方 対1人 対複数

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保育園生活や子育てで大切にしたい子どもとの触れ合いの時間。

本日は「絵本」の時間についてのお話です。

過去にもこちらで、絵本の読み聞かせの効能をお話していますが、今回は上手な絵本の読み聞かせ方、についてのお話です。

つまり、もう少しテクニック的な部分、あるいは読み聞かせの際に意識してもらいたいことをお話します。

せっかくの素敵な絵本の読み聞かせの時間。もっともっといいものにしたいですよね。

また、私現役保育士が、同じ読み聞かせでも、1対1の時と1対複数の時でどういった意識の違いをもって読み進めているかのお話もしていきますので、よろしければ最後までご覧ください。

意識してもらいたいこと

まずは、1人、複数、関係なく意識してもらいたいことをお話します。大きく4つあります。

読み聞かせにルールはない

今回は、読み聞かせ方、に関するお話になるんですが・・・、そもそも絵本の読み聞かせ方にルールはない、と考えています。

テクニックや意識の話なのに、いきなり根本を叩き壊すようなスタートで恐縮なんですが・・・、基本的にルールはないと考えます。

絵本(の読み聞かせ)というのは、コミュニケーションツールと考えるのが最も大切です。

なので、各自で子どものことを考えながら楽しめれば、それが最も良い絵本との触れ合い方だと思います。

おもちゃもそうです。1つのボールでも、投げて楽しめる。蹴って楽しめる。身体に乗せてもいいし、隠して遊ぶこともできます。

絵本も「こう読みなさい」と決めるのではなく、子どものペースや興味に沿って読み進める。つまり、決まったルールに縛られずに読み進める方が、子どももより絵本を楽しめるようになると思うのです。

ですので、本日は、上手な読み聞かせ方のポイントなどをお話していきますが、まずは何よりもルールに縛られず子どもとのコミュニケーションを第1に考えて絵本を楽しみましょう。

余白を楽しむ

絵本を読む際についつい飛ばしてしまいがちなのが余白部分です。もちろん子どもたちが全く興味を抱かなければ飛ばして進めてもいいのですが、余白部分を活用して楽しむこともできる、ということも知っておいてください。

例えば、余白の色。子どもに何色か質問してみたり、同じ色のものが出てこないか問いながら進めてみるのも面白いでしょう。

余白の間。余白の部分は物語の最初、もしくは最後に挟まれていることがほとんどです。読み進める前の一瞬の間の時の子どもの表情や、読み終えた後の一瞬の余韻。そこから子どもの集中した顔やワクワクしている時の表情をうかがい知ることができます。

また、余白の部分に、作者や出版社の紹介が記されていたりしますが、それに興味を示す子もいます。絵だけじゃなく、文字の形に対しての好奇心の現われでもあります。上手に応えてあげることでより一層絵本や文字に対する学習意欲を高めることもできます。

好奇心に沿ったかたちで読む

こちらは上記2つにも共通することですが、あくまでコミュニケーションとして楽しむのが吉です。

基本的な読み進め方をおかしく変える必要はありませんが、子どもの興味のあるページは結構偏りがあったりします。あっという間に飛ばしていくページもあれば、子どもにとって興味のある事柄が凝縮されているページもあります。

機械的に最初から最後までストーリーを読破するのではなく、子どもの反応や興味を確認しながら読み進めましょう。

月齢は意識した方がよい

絵本の選び方は、「親」の願いが込められている場合も多いかと思います。「子どもの興味に沿って」が最優先ですが、願いを込めた絵本の選び方も子育ての楽しみの1つですよね。それは素敵なことだと思います。

しかし、その中で意識してもらいたいことがあります。

それは、子どもの「月齢」です。

大きい子どもが小さい子用の絵本を選ぶことは全く問題ありません。大きい子なりの発見や読み方を大いに楽しみましょう。

しかし、小さい子に大きい子向けの絵本を進めるのは好ましくありません。

本人が好きで読んでいられれば良いですが、理解が難しい物を無理に与えられると逆に絵本に対してネガティブなイメージを持ちがちになります。

絵本の読み聞かせ、絵本選びの際には、月齢、特に小さい子にとっての「難しさ」は意識するようにしましょう。

対1人

それではここからは、対1人。マンツーマンでの読み聞かせの際のポイントをお話していきます。

コミュニケーションを第一と考える

これは繰り返し述べています。また、対複数の場合でも共通して言えることです。まずはなによりも、子どもとの触れ合いを意識するようにしましょう。

1対1の読み聞かせは、子どもにとって「自分の為に読んでくれてるんだ」、「自分だけを見てくれてるんだ」という承認欲求を満たす活動にもなります。

子どもが、「愛されているんだ」と思い切り感じることができるような触れ合いを大切にしましょう。

なので、基本的には子どもを膝の上に乗せて一緒に手を取りながら読み進めていくのがベストです。

子どもと選ぶ

絵本を子どもと一緒に、「どれにしようか」、と決めるところから始めるのも素敵なことです。

もちろん、子どもが本棚から自然と取ってきたものに応えてあげて読み進めるのもいいですが、一緒に選ぶところから始めると、より一層子どもにとっての承認欲求が満たされます。子どものワクワク感を共有する行為にもなります。

子どものペースでめくる

一緒に手を取りながらめくっていくのですが、子どもにとっての興味を優先しましょう。つまりは、子どものペースでめくるのが良いでしょう。時にはものすごい勢いで後半まで読み進める子もいますが、それでも基本的にそのペースを優先しましょう。

どうしても、そのスピードや集中の仕方が気になる場合は、所々で「ねえねえこれって何かな?」、「これ何色かな?」など、子どもが興味を持ちそうな質問を投げかけてみるのをお勧めします。

すると子どもの手がピタッと止まり、ペースダウンすることが可能になります。

子どものペースでめくるのに付き合いながら、所々で子どもが興味を持ちそうな事柄を投げかけてペースダウンをはかるのが上手な進め方となります。

子どもの気づきを一緒に楽しむ

あっという間に読み進めるページもあれば、逆にずーーっと同じページを読んでいる子もいます。ものすごく興味のある「何か」があるんでしょう。その際は一緒に気づきを楽しんであげてください。

絵本は子どもとのコミュニケーションツールとして最適です。その興味に付き合うことは子どもにとってすごく嬉しいことです。

また、その興味から子どものことをもっともっと知ることができます。マンツーマンの時は徹底的に子どもの気づきや興味を楽しむようにしましょう。

 

ちょっと余談ですが・・・、保育園での自由遊びの時間。他に先生がいるにも関わらず、必ず同じ先生の所に絵本を持っていく子がいます。

それは、特定の先生との絵本を介しての愛着。絵本を介しての思い出があるからに他なりません。

その子にとって嬉しい気持ちの共有がその先生との間であったのでしょう。

基本膝の上で、時には口元を見せて

言葉の習得にも大変役立つ絵本の読み聞かせ。その際に1つ意識してもらいたいこと。それは読んでいる口元です。

言葉がなかなか出てこない子どもの中には、口の奥の方で言葉が止まってしまっている、つっかえてしまっているような状態の子もいます。何か栓でふたをされているようなイメージです。

そういう子には、大人が言葉を発している時の口元を見せる、(保育園の子ども相手にはなかなかできないのですが・・)喋っている口元を触らせることが、効果的です。五感を刺激してあげる。ということですね。

絵本は基本膝の上で読んであげていいと思います。しかし時折、子どもの顔を覗き込むような姿勢でマスクをせずに口元を見せてあげましょう。

そういった読み方をする方が子どもの言葉の習得には役立つのです。

対複数

対複数の場合は、マンツーマンと違い、全員が同じ興味、成長度ではない、といった難しさがあります。

特定の1人の子を意識して読み進めることができません。そこがまずは大きなポイントでしょう。

まずは平均を・・・でもやはり意識するのは

ずっと見てきているクラスの子。初めて読むクラスの子。どちらにしてもまずはその子たちの平均的な月齢に合わせた絵本をチョイスする、でいいと思います。

さすがに、全員が同じ程度楽しめる絵本、というのは無いと思います。ですので、まずは平均をとる、で仕方ないでしょう。

しかし、それでも読み進める際に意識したいのは、より低い月齢の子のこと。絵本に対する集中力や理解力がまだまだ乏しい子。の存在です。

縦割りの活動であったり、同じクラスでも差が大きいな、と感じる場合はできる限り簡単な絵本をチョイスし、小さい子でも楽しめることを意識しましょう。

まずは、小さい子でも楽しめる絵本を選び読み進める。そして、読み進める中で、大きい子でも楽しめるエッセンスを散りばめることが大切です。

例えば、絵本の隅々まで興味を抱かせるような質問をする。

「あれ?これ何色かな」

「さっき出てきたのとどこが違うかな」

「どっちが大きいかな」・・など。

言葉の意味をちょびっとだけ深堀する。

「おにがしま?・・・しまってなんだろう?」

「まご・・・まごってどういう意味?誰の事?」・・など。

イメージを広げさせる。

「カステラつくっている時はどういうにおいかな?」

「パンケーキはふかふかかな?かたいかな?」・・・など。

大きく脱線しない程度に、大きい子ならではの楽しみが作れるような質問を所々投げかけてあげるのが良いでしょう。

口角を上げて

1対1であればその子に近い所でその子だけが聞こえれば、と思いあまり意識はしないのですが、複数だとちょっと意識したほうがいいのが、「声の通り方」です。

読み聞かせは声がでかければいい、というものではありませんが、通りのいい声、というのは大切です。

その為には、口角をしっかりあげて話しましょう。ようは口元をハキハキさせて語るのが良い、ということです。

もごもご感が出ている時よりも子どもの集中力表情が違いますよ。

きちんと「見える」か注意

 

端っこの子が見えにく本の角度、にならないように注意しましょう。

また、保育園では基本的に子どもたちは自分の椅子に座って聞くことが多いですが、絵本の読み聞かせでは、誰かが見えない、ということが発生しないように注意が必要です。

その時だけは見える位置に移動させる、などの配慮をしてあげましょう。

存分に楽しむことができないと1人・・2人・・と興味を失くしていく子が増えていきます。

また、絵本を持つ際の手の位置も注意しましょう。

子どもにとっての大事な大事な「絵」が隠れてしまわないか、きちんと見えているか気をつけて持つようにしましょう。

子どもを見ることも忘れずに

絵本の文字を読み進めるだけでなく、時折子どもの表情や集中の具合も観察しながら読み進めるのが良いでしょう。

それによって感覚的に子どもの興味を知ることができます。それによって抑揚のつけかたやスピードを自分なりに学習することができます。

聞き手との距離間をつかむことができれば、子どもたちにとってよりよい読み手へと成長することができます。

過剰なアクションは禁物

アクションが過剰になってしまうと、物語の面白さよりもただただアクションだけを追い求めてしまうようになり、逆にざわついたり興味が薄れてしまいがちになります。

抑揚はつけるべきですが、過度なアクションは絵本の面白さから逸脱する子を増やす形になってしまうので注意しましょう。

 

本日は絵本の読み聞かせについて、意識の仕方やテクニック的な部分をお話してきました。

実際に現役で保育をしていると、様々な月齢の子と絵本を楽しむ機会が訪れますが、私はこういったことを意識しながら読み進めています。

結果、子どもたちとより一層コミュニケーションが取れるようになり、言葉の習得や集中力、好奇心や先生への愛着を感じ取ることもできました。

みんな大好き素敵な絵本。

せっかくなので読み手の我々も、もっともっと成長してより深く絵本の読み聞かせを味わいましょう。

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