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今回は、保育所生活で起こる悩ましい問題「噛みつき」についての記事内容となります。
私自身、今までいろんな園でお仕事をさせていただく機会がありました。
その中で見たり聞いたり体験したりしてきた子どもの噛みつき。
各園の対応、先生方の考えから、いろいろと思う事、考えることが出てきました。
過去にこちらの記事でも嚙みつきに関して少し触れました。
今回は噛みつきをトラブルとして考える場合の私なりの考え方、対処法を記していきたいと思います。
今までは「〇〇の方法」、「子育てテク」、「△△のコツ」などといった知識、技術、テクニック的な記事内容が多かったのですが、今回はそれプラス考え方(捉え方)に重点を置いてお話しします。
噛みつきトラブルを回避する方法+噛みつきトラブルに関しての私なりの考え方
少々過剰で過激な部分もあるかもしれませんが、興味がございましたらご覧ください。
また、今後保育をする上で参考になる考えも必ずあると思いますので、最後までお読みいただけると幸いです。
保育現場で起こる噛みつき
ほぼ毎日のように起こる子ども同士のけんか。
大人と違い言葉よりも手が先に出てしまう年齢月齢です。また、我慢すべきという社会性もまだまだ乏しい頃です(我慢=正解とは限りませんが)。
また、手だけでなく口(歯)が出てしまうのがこの頃の子どもたちの特徴でもあります。
じゃれ合いの中で楽しくて噛んでしまう、というケースも稀にありますが、ほとんどの場合が感情の沸点に達したその瞬間に噛みつきに走ります。
噛みつきは、傷跡として残ってしまう、というのも悩ましい所です。
- 一瞬のことで止めきれない
- 痛い思いをしている子がかわいそう
- 子どもに注意してもおさまらない
- 保護者への謝罪が重い
- 園長や先輩の叱責が辛い
このようなことを日々思いながら保育業務にあたっている方、多いと思います。
大人のけんかで噛みついた噛みつかれたなんて話はまず聞きません。
保育園でも噛みつきトラブルと言うのは、1~3歳くらいが最も多く、幼児期になると減っていきます。
つまり言葉の習得に従って減っていくトラブルなのです。
嫌な気持ちを言葉で伝えきれない。それを歯で伝えてしまうのです。
なので、言葉の習得を待つ。子どもの成長を待つ。ことでこのトラブルは一応終息はしていきます。
が、目の前でトラブルが起こっているのは事実なので、それに対処しなければなりません。
それに頭を抱える日々なのです。
噛みつき対策
噛みつきに対して非常にナーバスになっている先生も多いでしょう。
ここでは、私自身が見て聞いて感じたことを記しながら対策を突き詰めていきたいと思います。
まず、「噛みつき」に関して、何が嫌なのか、何を止めたいのか、を整理してみたいと思います。
- 噛みつきを止めたい
- 噛みつきによるクレームを止めたい
- 噛みつきのクレームの責任が自分にくることを止めたい
- 噛みつきの始末書(報告書)を書くのが嫌だ
整理してみるとこんな所でしょうか。悩ましい点は。
まずはっきり言います。
噛みつきトラブル、3と4が最たる悩みであれば、この仕事は向いていないと思います。
誰だって嫌です。
保育業だけではなく他の仕事でもトラブル、責任、面倒ごと、というのは必ずやってきます。
もちろんそれを回避するために尽くす必要はあるでしょうが、己が責任回避の精神で仕事をする人には誰もついていきたくありません。
噛みつきトラブルの近くにいる先生に責任をおしつけようと叱責をする。こんな先生と一緒に仕事をしたくありません。
ですので、3,4に関しては言葉はありません。
噛みつきを止めたい
これに関しては方法はないことはないでしょう。
が、その前に嚙みつきが起こるまでの流れを振り返ってみましょう。
1:子どもが遊んでいる
2:子どもがお友達に腹を立てる
3:怒りが沸点に達する
4:噛みつく
一連の流れとしてはこんな感じでしょうか。
この1~4までの流れが一瞬でやってきます。
さっきまでニコニコで遊んでいたかと思ったらお友達が近くにやってきておもちゃを取られそうになり怒って噛みつく。
経験のある方は分かると思います。
本当に一瞬です。
ものの数秒の間にお天気が快晴から大雨になってしまいます。
これを止めるための方法を考えてみました。
3つあります。
ボディガードのごとく職員を配置する
その子が何か事を起こそうものならすぐさま止めに入れる守れる。そんな姿勢でいれば回避できるでしょう。
そのためにはマンツーマンでボディガードのごとく警戒しておけばいいのです。
しかし、「保育」というよりも「警備」、「警護」の意識、訓練が必要となるでしょう。
フォーメーションを組む
適切な保育者配置、というのを業務上求められますが、これもボディガード程ではないにせよ、対噛みつき優先でフォーメーションを保育者が組めば回避できるかもしれません。
イメージとしてはバスケットボールのディフェンスのような感じです。
先生たちはすぐに動けるよう動きやすいよう中腰姿勢で子どもたちを監視します。
声を掛け合って子どもの動きに合わせて噛みつきがおこりそうなところは距離を詰め、そうじゃないときはそれなりの距離を保ち保育をするのです。
こちらも動き方に関しての訓練は必要かもしれません。
子ども同士を近づけないようにする
子ども同士が近づくから噛みつきが起こる。と捉え、子ども同士が接触せずにおもちゃや遊びに集中できるように促します。
これを実現するためにはそれなりのスペース、おもちゃ、など環境をもっともっと構成していく必要があるでしょう。
こんな所でしょうか。
噛みつきは一瞬で起こってしまう。という特色を考えると、これらの対策をこうじれば止めることができるでしょう。
・・・・
・・・・もうお気づきだとは思いますが、・・・・私は全くおすすめしません。
と言うよりも、これ適切な保育でしょうか?
「止める方法」として考えると適切かもしれませんが、「保育」と考えると適切とは思えません。
おおよそ子どもの気持ちに寄り添ってはいないですし、生活の場として大きな違和感を感じますよね。
ですが、噛みつきトラブルを、「噛みつきを止めたい」、という1点のみで対策をこうじるならば、こういった方法が理にかなっていると思います。
時折目にする光景があります。
噛みつき事案が発生した際。
「どうして見てなかったんですか!?」
と担任同士でもめていたり、主担任がサブで入っていた職員を問い詰めている姿を。
噛みつきの近くにいた職員が、寝ていた、ぼーっとしていた、スマホをいじっていた、あきらかに優先順位があとのものを優先していた、などのマニュアル違反をしていたならば分かります。
しかし、その瞬間別の子どもの「先生見てみてー」に応じていた。別の子どもの遊びの介助をしていた。などまっとうな業務をしていた場合も多くあります。
それに対して、「どうして見てなかったんですか!?」、ではたまったもんじゃありません。
一瞬にして事が起こってしまう「噛みつき」。
それをこの先生が今後完璧に止める為には、「他の子の応答を無視しなきゃいけないのかな?」そう思ってしまうことでしょう。
それではこの先生が病んでしまうだけです。
「注意して見てなさい!」を対策とするのならば、もっと具体的な動き方の提案や指導が必要になるでしょうし、私はそれは先のボディガード~の3つの対策しかないだろうな。と思います。
しかし、不適切な保育とも思えるこの対策の中にも一応ヒントは隠されています。
それは「子ども同士を近づけないようにする」内にある、おもちゃや遊びに集中できるように促す。という点です。
トラブルを含め、お友達との接触は成長に必要だと思いますが、ひとりで集中して遊ぶ。というのも大切なことです。
おもちゃや遊びに子どもたちが興味を持ち、没頭できるよう、好奇心を促し、落ち着いて遊べるような環境を構成し、遊びへのアプローチをする。
これをすることによって1つのおもちゃでより集中して没頭できる子が増えると思います。
そうすれば、あちこち落ち着かずに動き回ってお友達とトラブルを起こす。というのは減っていくような気がします。
ですが、噛みつきトラブルを、「噛みつきを止める」、という1点集中で対策するのは限界があると思います。
なので、より大切なのは、「噛みつきをクレームにするのを止める」、といった対策だと思います。
噛みつきをクレームにするのを止める
我々の仕事は、基本的には子どもを預かることで成立します。(預からない保育業務もありますが)
ゆえに子どもがケガをした場合どんなことでも責任は発生します。
子どもが転んで擦り傷を負ってしまった。
当たり前のように起こることでも親御さんが怒鳴りちらしてくれば、
「仕方ないでしょ子どもなんだから」
では済まないのです。
だからといって全てのケガを回避するには、先ほどのボディーガードに近いようなことをしなければなりません。
そしてそれは不可能でしょう。
子どものケガ、トラブルは親御さんの気持ち1つで大きなトラブル(クレーム)に発展することもあれば、我々の反省だけですむ場合もあります。
同じ程度のケガでも違いが出てしまうのです。
では、その違いはなぜ出てくるのでしょうか?
どういった部分で出てくるのでしょうか?
もちろん親御さんの性格もあるでしょう。
事故、ケガに寛大な親御さんもいれば、細かく指摘する親御さんもいるでしょう。
しかし、その違いの多くは、我々との距離。コミュニケーションレベルに大きく関わっているように感じます。
コミュニケーションが取れている、信用、信頼されているからこそ親御さんは寛大になれるのでしょう。
つまり、親御さんとのコミュニケーションを深めることによって噛みつき事案をトラブル化させない、という対策になるのです。
そのためには、
- 常日頃からのコミュニケーション
- 保育現場への理解
- 事後対応
が必要になります。
1:常日頃からのコミュニケーション
常日頃。というのが大事です。
同じ事故(ケガ)でも全幅の信頼を寄せている先生と、信用ならん先生では感じ方が全く違うでしょう。
毎日子どものいい所や成長を教えてくれて、自分に対しても労いやリスペクトの言葉をかけてくれる子どもが大好きな先生と、冷たさすら感じる不親切な先生と、では全く感じ方が違います。
前者ならば「先生たちも大変だな。」「いつもちゃんと見てくれてるから気にしない。」といった思いになります。
しかし後者では、「ほれ見たことか」、「やっぱり・・」といった気持ちが大きくなります。
親御さんとのコミュニケーションレベルの違いでトラブルがトラブルにならなかったり、逆にちょっとしたことが大きなトラブルに発展することもあるのです。
2:保育現場への理解
定期的な面談、入園前の説明、保護者会、などを通じて子どもの成長に必要な友達との関りやトラブル、保育現場の現状を丁寧に、誠意をもって伝えましょう。
子どもは、お友達とのトラブルを経験することで成長する。
どうして噛みつきが起こるのか?
など、子どものことについてや、保育の方針、現場への保護者の方の理解をきちんと深めることが大事です。
また、その理解を強固なものにするには、やはり常日頃からのコミュニケーションが大切になります。
丁寧に、根気よく、コミュニケーションを深めながら対話していきましょう。
3:事後対応
子ども同士のトラブル、噛みつきは起こるもの、ということを理解してもらっても、誠意のある謝罪やケガへの処置が全くなされていなければ意味がありません。
冷やす、手当てをする、受診をする、状況説明、謝罪。
子どもの気持ち、親御さんの気持ちを汲んだ誠意ある対応は必ずするようにしましょう。
まとめ
私は、「噛みつきは仕方ない」、と思っているわけではありません。
噛みつきが起こらないように注意深く見るように保育はしますし、他の保育者には注意を促します。
しかし、子ども一人に一人の保育者がつけるわけではありません。
もちろん時には、全体ではなく一人の子に寄り添った対応をしていることもあるでしょう。
そんなまっとうな保育業務の最中に起こってしまう「噛みつき」に対して誰かを咎めようとは思いません。
きちんと処置をし、責任もって謝罪、報告書をあげ、他の保育業務に大きな影響を及ぼさないような対策をこうじますが、子どもの成長過程、保育現場では起こりうるものだと切り替えるようにしています。
そしてそんな思いを他の保育者や親御さんと共有すること、共有できることが理想的だと思っています。
その為には常日頃からのコミュニケーションが最も大切だと考えます。
噛みつきトラブル回避法。
それは、親御さんとの信頼関係の構築、コミュニケーションレベルを上げること。これが最も有効な手段となるでしょう。