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本日は、保育をしながら日々感じる、強く実感する、お手本となる教材(?)についてのお話です。
それは、
北風と太陽
北風と太陽の教え・教訓は、保育のあらゆる場面で意識します。意識させられます。
それはすなわち、
子育てでもおおいに役立つ考え方、にもなるのです。
- 北風と太陽の教訓とは?
- 何がどう保育、子育てに役立つのか?
保育士歴今年で15年目に入る現役保育士がお伝えします!
興味とお時間がございましたら是非最後までご覧ください!
北風と太陽
改めて物語を解説する必要はないかもしれませんが、簡単なストーリーをまず最初に記します。
北風と太陽はイソップ寓話の1つで、北風と太陽が力比べをするお話です。
ある時、北風と太陽は、通りすがりの旅人の上着をどちらが脱がせることができるか、といった勝負をすることになりました。
北風は力一杯吹いて、旅人の上着を強引にはぎとろうと、吹き飛ばそうとします。
しかし、旅人は上着を強くおさえ、北風は上着を脱がすことができませんでした。
一方太陽は、暖かな日差しを送り続けました。
すると旅人は暑さを感じるようになり、自ら上着を脱ぎました。
こうして勝負は、太陽が勝ちました。
といったお話です。
誰もが子どもの時に1度は耳にしたことがあるかと思います。
ここから得られる教訓とは何なのか?
それは、
物事を進める上で、力ずくで行うと益は生まれず、ゆっくり着実に実行する方が最終的に大きな利益を生む。
ということです。
これをさらに子育て、保育に照らし合わせてみると、
こちらが子どもに何かを求める時、導きたい時、強引にやろうとすればかえって抵抗する羽目になる。子ども自らがやろうとするためには何をすればいいかを考えることが大切。
と言う形に変換できます。
北風と太陽では、
旅人は上着を着ていると暑いな、うっとうしいな、と感じたから脱ぎました。
着ている方が良くないな、と自ら思ったから脱いだのです。
北風が強風を吹いた時は、脱いではダメだ。と思いました。
風の強制に屈してはダメだ、と思い、脱がなかったのです。
このエピソード、教訓は、保育・子育ての場面でも有効に働きます。
次項では、簡単な具体例を添えて話を進めていきます。
保育・子育て現場では
3つのよくある具体例を用いましょう。
食事の好き嫌い
誰もが子育てで遭遇する場面です。
これを北風と太陽風に描くとどうなるか?
北風
- 子どもに強引に食べさせようと、口を開けさせようとたくらむ
- 食べなさい。口を開けなさい、と言う
- 口を強引に開けさせようと力で攻める
もはや・・虐待の部類かもしれませんね・・
太陽
- 少量でもいいから食べたら褒めて、楽しい食体験を積み重ねる
- 一緒に食事をして、おいしそうに食べているところを見せる
自ら食べるにはどうしたらいい?
おいしいと感じさせるには?
食べた方が得だと思わせるには?
を考えることが重要です。
本家の太陽は「これは脱いだ方が気持ちいいな」と思わせることに成功しました。
子ども心に食べることは楽しいこと、楽しいことはお得なこと。と思わせることが大切です。
褒められれば嬉しいですよね?気持ちいいですよね?
身近な人がおいしそうに食べているとそそられますよね?
強引に口に運んでも、食べ物に対する恐怖心が増すばかり。
今日食べれなくても食事そのものを楽しい体験にして終わる。など、子ども自らが進んで食事をとりたくなるようなアプローチが太陽型の手法になるでしょう。
お片付け
北風
- しなさい! やりなさい! で強引にさせる
太陽
- 片付け自体を楽しくゲーム感覚でやる
- 片付けた時に気持ちよさを感じられるような言葉がけをする
片付けた方が得、と思わせるにはどうしたらいいか?、を考えるのが大切です。
片付け自体が楽しいことであれば、子どもは片付けをするのがお得に感じます。
ゲーム感覚でお片付けを進めると子どもは積極的に取り組むようになるでしょう。
また、
片付けることで次の作業がはかどることを実感させたり、片付けたことで気持ちよさを感じられる。という事も大切です。
その為には単純明快な言葉がけが有効。
「スッキリしたね」
「キレイになって気持ちいいね」
ただ、それだけでも十分効果ありです。
「やりなさい!」「片付けなさい!」だけでは、より一層片付けが嫌いになるでしょう。
子ども自らが片付けの良さを感じられる、気づけるようなアプローチが太陽型になります。
スマホ(動画)を見たい
北風
- 強制的に奪い取る
子どもは余計に駄々をこねるでしょうね。
強引に取ろうとしたら力づくで奪われないようにあの手この手を使ってくるでしょう。
これは北風の方法です。
太陽
- 何かもっと楽しいものを用意する
- 最初からルールを決める(できれば自分で決めさせる)
どうしたら自ら手放すか?
手放した方がいい、と思わせるにはどうしたらいいか?
を考えるのが大切です。
子育てにおけるスマホ(動画)は便利ではありますが、依存は嫌ですよね。
あまりにひどいときには強引に奪うことも必要かもしれません。
しかし、
穏やかな子育てを望むには「強引」はあまりおすすめできません。
子どもにとって次の活動への切り替えが叶えば、穏便にことが進むでしょう。
他のおもちゃ、食事、お出かけ、一緒に遊ぶ・・・。
子どもの好奇心が膨らむようなことを日々積み重ねておけば切り替えがしやすくなります。
また、
最初から、”どこまでやったらおしまい”、というルールを決めて使用する、といった取り組みも効果的です。
ルールも子ども自身に決めさせると、なお良いでしょう。
子どもながらにも、ルールを破るかっこ悪さ、自ら決めた約束を守らないバツの悪さ、というのは感じられます。
ルールを決めることで、スンナリいきやすくなります。
しかし、
子ども自身がルールを守るためには、大人の我々も、約束をしたら守る、ということを徹底しましょう。
それがなされていないと、「約束は守るもの」といった認識自体子どもの中に生まれなくなってしまいます。
具体例の話が長くなりましたが、子どもが「自ら」手放す、といった方向へ寄るのがここでは太陽型の手法になります。
好き嫌い、お片付け、スマホ見たい、はそれぞれ別のブログ記事で深掘りしているので、よろしければそちらもご覧ください。
どれも基本は北風と太陽と同じです。
大切なのは、
強引にやろうとするのではなく、自らやろうとするにはどうすればいいのか考える。待つ。自然と導く。といった姿勢なのです。
まとめ
子育てでは、子どもに求めたいこと、教えたいこと、導きたいこと、たくさんありますよね。
子どもは未完成な生き物です。
のびのび育つ中でも、大人がきちんと教えていかなければいけないこともたくさんあります。
しかし、子どもにも自我が芽生えます。
それと共に、その教えが、反発する「戦い」になったり、そこから生まれるストレスが、強引な北風のようなアプローチなってしまうことも多々あります。
そんな時こそ、ひとつ冷静になって「北風と太陽」を思い出してください。
これは北風のアプローチになってないかな?
こんな時太陽だったらどうするかな?
自らやるにはどうしたらいいかな?
待つべき?
もっと穏やかなアプローチはない?
「北風と太陽」
その教訓は、永遠に役立つ、保育・子育てのお手本教材となるでしょう。